夏の夕方の迷子
[子供には縁がないはずなんだけど、昨日に引き続きこども話]
引越しを終えた友人宅で飲もうということで、
夏の夕方、私は友人宅に向け自転車を走らせていた。
突然、女の子(8才くらい)が道沿いのマンション玄関から飛び出してきた。
自転車で走る私の前に、女の子は叫びながら両手いっぱい手を広げて目の前に立ちはだかった。
「すみませーん‼︎助けてくださーい‼︎」
(なにごと?事件か⁇事故か⁇)
私は急ブレーキでつんのめりそうになる・・・。
どうしたの?と聞いたところ…
「お友達の家(飛び出してきたマンション)に遊びに来たの、でもチャイムが鳴っちゃったから(区の夕焼けチャイムね)帰らなきゃいけないの」
(なら、早くおかえりなさい…)
「でもね、えりちゃんね、(えりちゃんって名前らしい)おうちわかんないの…。
近くにね、ローソンがあるの」
(え?エェ〜? 帰り道わかんないの?
ローソンってそこらじゅうにあるじゃん…目印にはならないよ)
えりちゃんは帰り道がわからないから通りすがりの私に一緒に帰ってほしいと必死に訴えてくる。
子供って、そういう生き物なの?
子供には2タイプの子がいる。
迷子になる子と迷子にならない子。
ちなみに私は迷子になった事がない。
えりちゃんちどこよ…。
お友達のお家に戻って、お友達かお友達の親に責任とってもらいなさいよ…。
本人がわかんないのに、私もわかんないよ。
えりちゃんは手ぶらだし、名札も付けてないし。手掛かりなし。
そもそも、友人の引越し先付近。
いくら地元でもこの地域に詳しい訳じゃないし、ウロウロしたら私が迷子になっちゃうよ…。
お母さんに電話をして住所を聞いて送っていけばいいか…。
えりちゃんに電話番号を聞くと、番号を知っているのかいないのか、、、電話はダメ!って。
なんで?って聞いたら、お母さんに怒られるから…と言って口を割らない。
困った。だから子供は…ブツブツ
こんな困った状態なのに、えりちゃんは私の自転車に乗りたいと言い出す。
(お家までの帰り道がわからない今って、きんきゅうじたいじゃない?)
しょうがないからサドルにまたがせ、自転車を引いて歩く私。
(ちょっとえりちゃん…さっき会ったばかりなのに私に慣れ過ぎじゃない?
悪い人だったら連れて行かれちゃうよ、、、)
側から見たら、まるで親子。
知らない子と親子ごっこしてるみたい。
恥ずかしい…ここは地元、誰にも見られなくない。
どうしようかと思ってたら、目の前の交差点に神がいた。
交通整理している婦人警官がいるじゃないか!
交代要員なのか、手が空いてる風。
今度は私が叫ぶ。
「すみませーん‼︎ (助けてくださーい‼︎ )」
どうされました?
私 「さっき、この子にあの辺で声をかけられて、家までの帰り道がわからないみたいで…。」
婦人警官さんは私の言っていることが理解できないみたい
???
お母さんじゃないんですか?
私 「違います! ただの通りすがりなんです…」
婦人警官に引き渡して、えりちゃんから解放されるかと思いきや。
「一緒に警察署まで来ていただけますか?」
(えぇ~やっぱりそうなるよね・・・)
私も一緒に警察署へ向かい事情聴取を受けることに。
遊びに出かけた我が子が警察官に連れられて帰ってきたらお母さんびっくりだよね。
子供の扱いに慣れていないからほんと困っちゃう。